温州ミカン(中央)と、親にあたるキシュウミカン(左)、クネンボ(右)
国内で出荷されるかんきつ類の約7割を占める温州(うんしゅう)ミカンの「両親」を突き止めたと、農研機構果樹茶業研究部門(茨城県つくば市)が発表した。江戸時代以前から明治初期まで広く食べられていた紀州ミカンとクネンボが、その正体。長年の謎を、DNA鑑定で割り出したという。
温州ミカンは明治時代に入ってから栽培が本格化した在来品種。江戸時代初期には存在していたとみられているが、親品種はわかっていなかった。
農研機構は、DNAの塩基配列が品種間でわずかに異なる206カ所の目印に着目し、温州ミカンと66種のかんきつ類との親子鑑定を実施した。その結果、母親にあたる「種子親」は中国から伝わり明治中期まで主要品種だった紀州ミカン、父親の「花粉親」はインドシナ原産で江戸時代まで主要品種だったクネンボとわかった。
紀州ミカンは香りや味に優れる…