世界最速エレベーターがある中国・上海の「上海中心大厦」=三菱電機提供
三菱電機は9日、中国・上海市の「上海中心大厦」(地上632メートル)に納入したエレベーターが、「世界最速」としてギネス世界記録に認定されたと発表した。分速1230メートル(時速73・8キロ)で、今年7月から運転を始めていた。
上海中心はオフィスや会議場、レストランなどが入る中国一高いビルで、三菱電機が114台のエレベーターを納入。今回、地下2階から地上119階の展望台までの565メートルを53秒で移動するエレベーターが世界最速に認定された。ほぼ中間の地点で2秒間、最高速度に達するという。
エレベーターの世界最速をめぐっては日本勢がしのぎを削っており、ギネス世界記録上のこれまでの最速は台湾・台北市にある分速1010メートル(時速60・6キロ)のもので、東芝が2004年に取得。その後、日立製作所も今年5月に中国・広州市で分速1200メートル(時速72キロ)を達成したと発表していた。
上海中心にある三菱電機製のエレベーターでは今回、ほかの2種もギネス世界記録に認定された。非常用エレベーター(578メートル)が「世界最長」、2階建ての「ダブルデッキエレベーター」(分速600メートル)も同種のものとして「世界最速」となった。(清井聡)