韓国東北部の春川(チュンチョン)地裁は、公務員や記者らへの食事接待などを制限する新法を初めて適用した判決を下した。同地裁によれば、詐欺に遭った女性(55)が、事件の捜査を担当する春川署員に4万5千ウォン(約4400円)相当の餅を贈ったことが罪に問われた。同地裁は女性に9万ウォンの罰金を支払うよう命じた。
判決は8日付。新法は9月28日に施行された「不正請託及び金品授受の禁止関係法」だ。公職者や報道関係者、私立学校職員らが対象で、職務と関係して金品を受け取れば、金額に関係なく同法違反になる。女性は9月28日午後、春川署員に餅を届けるよう部下に指示。部下が署員を同署の駐車場に呼び出して餅を渡したという。
同法は罰金の範囲を、罪に問われた金品の2~5倍相当と定める。春川地裁は、罰金を餅の価格の2倍とした理由について「価格が比較的大きくなく、署員もすぐ餅を女性に返していた点などを考慮した」と説明した。
同法は、3万ウォンを超える食事接待なども禁じており、韓国メディアなどが「接待文化を変える台風」と呼んで注目していた。(ソウル=牧野愛博)