介護保険における福祉用具貸与・販売の対象項目と、同一製品で月額レンタル価格の差が大きい福祉用具
■どう変わる?介護保険:2
車いすや手すりなどの「福祉用具」が、介護保険では原則自己負担1割で借りられることをご存じでしたか? 介護保険の基本理念は「自立支援」。介護が必要な人が自宅で暮らすのに欠かせない福祉用具は、保険給付の対象になっているのです。しかし、今回の制度の見直しでは、福祉用具の給付も検討課題となりました。なぜでしょう。
介護とわたしたち
どう変わる?介護保険
介護保険では車いすや手すりのほか、介護ベッドやスロープ、歩行器など計16種を自己負担1割(一定所得以上は2割)で借りたり、買ったりできます。残り9割は介護保険から給付され、保険料や公費でまかなわれます。
高齢化に伴い、福祉用具レンタルにかかる給付は急速に伸びてきました。2004年度は約1700億円でしたが、10年後の14年度には2700億円を超えました。
■要介護2以下の人は全額自己負担?
財務相の諮問機関である財政制度等審議会は、15年11月、要介護2以下の人たちの福祉用具レンタルを原則全額自己負担にするなどの提案をしました。給付件数の6割を占めるのが要介護2以下の人たちで、そこの給付を見直すことで、介護費の伸びを抑えられないかと考えたのです。
この提案は、大きな反発を招きました。福祉用具の事業者や利用者らでつくる「福祉用具国民会議」は、約22万筆の反対署名を集め、政府に提出。29都府県と209市区町村の議会も反対の意見書を決議(16年11月22日時点、日本福祉用具供給協会調べ)しました。
自己負担増で福祉用具が使えな…