RCEP交渉をめぐる各国の立場
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓など計16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉会合が10日までジャカルタ近郊で開かれた。参加国が重なる環太平洋経済連携協定(TPP)の発効がトランプ米次期大統領の脱退表明で遠のくなか、参加国は早期の合意で一致。ただ、各国の立場に隔たりが残る。
トランプ氏の勝利後、RCEP会合は初めて。TPPが頓挫した後で米国抜きのRCEPが交渉を加速できるかに注目が集まった。
会合初日の6日、インドネシアのルキタ貿易相は各国に「保護主義が台頭するなかで交渉を停滞させる余裕はもうない」と訴えた。日本も会合で「質の高い協定の早期妥結を訴えた」(日本の交渉官)という。
今回は中小企業の活用の分野で実質合意に達した。15の分野のうち「経済技術協力」に続く2分野目の合意。参加国は来年末までの妥結を目指し、来年2月下旬から神戸市で次回の交渉会合を開くことも決めた。
ただ、焦点の関税の自由化率で…