東南アジアで普及するバイクタクシー。最近はドライバーと客をつなぐスマホのアプリが登場し、バイクシェアも拡大している=バンコク
ホンダは12日、東南アジアで二輪車の「ライドシェアリング(相乗り)」事業に参入すると発表した。12月上旬に東南アジアの配車サービス大手「グラブ」(本社・シンガポール)に出資。今後、東南アジア11カ国での展開をめざす。
ライドシェアリングは事業者が自家用車に客を相乗りさせて運ぶサービス。日本では「白タク」行為にあたるため、原則的に認められていない。しかし、米国などでは急拡大。東南アジアではバイクの後部座席に客を乗せる形でサービスが広く利用されている。
グラブはこうした「バイクシェア」の仲介を担い、シンガポールやインドネシアなど6カ国でスマートフォン向けアプリを公開。2700万人の利用者が登録する。ホンダとグラブは今後、ミャンマーやラオスなどへも進出する。
米国などでは四輪車のライドシェアを担うIT企業が急成長している。二輪車最大手のホンダは、アジアでは二輪車によるライドシェアリング拡大を見込み、「現地の新たなニーズに対応できるよう備える」(広報)ことにした。新車が売れなくなる懸念もあるが、ホンダは東南アジア主要国で7~8割の市場シェアをおさえており、販売への影響は限定的と判断した。(榊原謙)