ジェンティローニ新首相(左)とレンツィ前首相=AFP時事
イタリアのジェンティローニ新首相(62)が率いる内閣が12日夜(日本時間13日未明)、宣誓式を経て発足した。国防相、経済財務相ら主要閣僚の顔ぶれはレンツィ前政権とほぼ同じで、政治の混乱を懸念する市場を意識し、政権の継続性を強調したものとみられる。
ジェンティローニ氏は大統領府での宣誓式に先立ち、閣僚名簿を発表。同氏の後任の外相には、アルファノ前内相が横滑りした。内相には民主党のミンニーティ氏が就いた。新中道右派などとの連立の枠組みは維持された。13、14両日にも上下院で信任投票が行われる見通しだ。
ジェンティローニ氏は「最短の時間で組閣するようベストを尽くした」と語り、新内閣の優先課題として、選挙法の改正や経済的に苦しむ中間層や失業率の高い伊南部への対策を挙げた。前政権が「賛成」を呼びかけた憲法改正案の是非を問う国民投票では、南部での「反対」の割合が高く、2018年の任期満了までに行われる議会の解散総選挙をにらみ、危機感を強めているものとみられる。