メダルを手にする大隅良典・東京工業大栄誉教授=12日、ストックホルム、川村直子撮影
ノーベル賞の一連行事がストックホルムで催されるノーベルウィークが12日、最終日を迎えた。医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)はこの日、ノーベル財団から金メダルと賞状を受け取った。10日の授賞式後の晩餐(ばんさん)会では、文学賞を受けた米国の歌手ボブ・ディランさんからのメッセージが代読された。
ノーベル賞
大隅良典・東京工業大栄誉教授
大隅さんは12日午前(日本時間同日夕)、代表取材に応じ、受け取ったメダルを披露した。授賞式で贈られた後、晩餐会に展示するために回収されていた。「物理的にではないが、大変重いメダルだと感じた」と話した。
メダルは重さ175グラム。表には賞の創設者アルフレッド・ノーベルの横顔、裏には病気の少女を癒やすために岩から流れ出る水をくむ医学の神の姿が描かれている。
ノーベルウィークで印象に残ったことは「授賞式かもしれない」と語り、「一番緊張したのは記念講演かもしれない」と続けた。
細胞内のたんぱく質などを分解・再利用する「オートファジー」(自食作用)の研究について、「まだまだ未開拓の分野。関連する分野からまたノーベル賞が出てくれたら」と期待を込めた。
10日の晩餐会では、食事や演奏を楽しんだ。各賞の受賞者代表によるスピーチで、「酵母からたくさんの教えや素晴らしい贈り物をもらったことに感謝したい」と英語で語った。
大隅さんは13日、日本へ向けてストックホルムを出発する予定。(ストックホルム=南宏美)