カナダ政府の専門家委員会は13日、大麻合法化に向けた調査報告書を公表した。18歳未満の購入禁止や、広告にたばこと似たような規制を設けることが主な柱。トルドー政権は昨年の選挙で娯楽目的の大麻解禁を公約に掲げており、来春にも合法化に向けた法案を議会に提出する方針だ。
カナダでは現在、医療用大麻は広い範囲で認められている。合法化に伴う問題や規制の枠組みを検討するために設けられた専門家委員会の報告は80以上の提言をまとめ、その内容は若者の使用を難しくするなど公衆衛生や安全の確保に集中している。大麻の強さによって税率を変えるなど、より弱い大麻に誘導する措置も提言に盛り込まれた。ただ提言に法的拘束力はなく、すべてが法律に反映されるとは限らない。
娯楽目的の大麻合法化はこれまで南米ウルグアイや米国の複数の州で導入されており、カナダで実現すれば国としては2カ国目となる。専門家委員会の報告書によると、25歳以上のカナダ人のうち1割が1年以内に大麻を使用し、3分の1以上が「これまでに使ったことがある」と調査に答えている。(ニューヨーク=中井大助)