今年4月、富山県西部の中学2年の少女を山形県新庄市の自宅に連れ去ったとして、いずれも未成年者誘拐罪に問われた同市住吉町の元スーパー店員渡辺遼被告(26)と、同居する母親で元コンビニエンスストア店員の佳恵被告(49)の判決が15日、富山地裁高岡支部であった。内堀宏達裁判長はいずれも懲役1年執行猶予3年(求刑はいずれも懲役1年)を言い渡した。
判決によると、2人は共謀の上、未成年と知りながら少女を誘拐しようと計画。4月3~4日、遼被告が少女に対し、家出をして山形に来るようメールで誘惑し、同4日、2人で富山県まで迎えに行き、富山市内の漫画喫茶で3人で1泊した後、3人で新庄市まで移動。同7日まで被告宅に留め置いた。
遼被告と少女は昨年11月ごろ、オンラインゲームを通じて知り合い、無料通信アプリLINE(ライン)でやりとりを重ね、少女から家庭での不満を告げられていたという。
公判で両被告側は「18歳だと思っていた」「家出をしたがっていたので保護しただけ。少女の親の承諾があったと思っていた」などと無罪を主張。検察側は「少女が承諾しても、保護者の承諾がない以上、罪が成立する」と訴えていた。内堀裁判長は「(2人は)少女の親が家出を許可していないと認識していた」と退けた。(高億翔)