韓国と北朝鮮の経済格差が、2015年の名目国民総所得(GNI)の比較で約45倍まで広がった。韓国統計庁が15日に発表した資料で明らかになった。金正恩(キムジョンウン)体制は発足から5年を迎えるが、南北の経済格差は5年前の約39倍から更に広がった。
15年の名目GNIは韓国の約1566兆ウォン(約156兆円)に対し、北朝鮮は約35兆ウォンだった。10年は両者の差は約39倍、14年は約44倍だった。1人あたりのGNIは韓国が3094万ウォン、北朝鮮が139万ウォンだった。
貿易総額は韓国が9633億ドル(約113兆円)、北朝鮮は63億ドルで約154倍の差がついた。北朝鮮の貿易総額は、対中貿易を中心に5年前よりも約21億ドル増えたが、国際社会の経済制裁により、17年は10億ドル前後の減少が予測されている。
北朝鮮では11年12月17日に金正日(キムジョンイル)総書記が死去。権力を継承した正恩氏が経済改革と核開発を同時に進める「並進路線」を提唱。今年も5月の朝鮮労働党大会前後に、労働を強化する「70日戦闘」と「200日戦闘」をそれぞれ実施した。(ソウル=牧野愛博)