大宮タカシマヤの店舗前の空きスペースを使って開かれた産直市「軒先マルシェ」=さいたま市大宮区
「イメージが特に浮かばない」「百万都市なのに『通過点』」……。そんな悩みを抱えるさいたま市で、ブランド力の弱さを逆手に取り、別の地域を売り出すプロデュース力で存在価値を高めようという作戦が始まっている。鉄路で結ばれた東北や北陸の特産と、地元飲食店などとの連携で、新たな魅力づくりにつなげようという狙いだ。
特集:テツの広場
昨年に北陸新幹線、今年3月に北海道新幹線がそれぞれ開業し、さいたま市のJR大宮駅には新幹線6路線が乗り入れる。その「地の利」をいかそうと、駅周辺の百貨店、大型商業施設やホテルが4月、協議会を結成した。
目をつけたのが、北海道、東北、北陸の海山の幸。百貨店のバイヤーら6人のコーディネーターが一押し食材をリスト化し、さいたま市内の飲食店などと連携して商品化につなげてもらう仕組みを企画した。
昨年度は「プレ事業」として、青森市のカシスや長野市のリンゴが商品化された。さいたま市大宮区のスペイン料理店「バル デ エスパーニャ セロ」は、カシス果汁を使ったカクテルや肉料理を考え、メニューに加えた。「果物の味がしっかりあり、さっぱりした甘みは年配の方に人気」とマネジャーの猪瀬マヤさん(34)。生産者との交流も始まったという。
生産者約200人による「あお…