文部科学省は19日、2017年度から、発達障害のある子らが別室などで学ぶ「通級指導」や外国人児童に日本語を指導する教員の配置を今より手厚くすることを決めた。少子化に伴い、機械的に教員を減らす「自然減」分を除くと、教員全体では今年度より計868人の増員となる。
「通級指導」の教員1人当たりの子どもの数は16年度の16・5人から13人になる。教員不足で通級できない「通級待機」が減るほか、よりきめ細かい指導ができるようになる。日本語指導の教員も同様に21・5人から18人になる。
教職員の定数は、子どもの数などに応じて機械的に決まる「基礎定数」と、各校の課題などに応じて配分する「加配定数」で決まる。17年度から通級指導の教員などの基礎定数化を始め、今後10年間で、いまの加配定数(約6万4千人)の約3割を基礎定数に入れる。これにより、各自治体は年度ごとに変動の可能性がある加配に頼る余地が少なくなり、正規雇用の教員を配置しやすくなる。
一方、いじめや不登校への対応(25人増)、貧困などによる学力課題の解消(50人増)、小学校の英語などの専科指導の充実(165人増)――は加配で対応する。
この結果、17年度の教職員定数は約69万人となり、17年度の政府予算案に約1兆5千億円を計上する。文科省は、定数の新たな算定基準を盛り込んだ義務教育標準法の改正案を来年の通常国会に提出する。(水沢健一)