米西海岸シリコンバレーを走るグーグルの自動運転試験車
ホンダは22日、人がまったく運転する必要のない「完全自動運転」について、米ネット検索大手グーグルと共同研究を始める、と発表した。ホンダが提供する車にグーグルの人工知能(AI)などを搭載。米国内で実走実験を繰り返し、自動運転のノウハウを共有する。
ホンダの開発子会社、本田技術研究所と、グーグルの持ち株会社傘下で自動運転の開発を担う子会社のウェイモが、共同研究を始める覚書を交わした。ウェイモの自動運転用のセンサーやAIをホンダ車に搭載。ワシントン、カリフォルニア、テキサス、アリゾナの4州で走らせ、AIの開発に必要なデータなどを集める。どんなデータを共有するかなど、詳細は今後、両社の技術チームで詰める。
ホンダは、高速道路に限った自動運転を2020年ごろに実現させる目標を掲げているが、トヨタ自動車などに比べると開発資金に限界がある。自動運転用AIの開発で先行するグーグルと組むことで、研究開発の一部を補う狙いがある。
グーグルは、走行実験で自動運転を学ばせたAIを核にした完全自動運転システムを、自動車メーカーなどに売り込むことを狙っているとみられる。今年5月には、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とも提携し、同様の共同研究を進めている。(榊原謙)