ロンドンにあるオフィスの共用スペースで、同僚と話し合う金融会社「ブリックベスト」の共同最高経営責任者のトーマス・シュナイダーさん(右)
英国が欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票から23日で半年となった。来春以降にEUと離脱交渉を始める英政府は、国内に拠点を置く大企業の引き留めに躍起だが、経営スピードを重視する新興企業の間では離脱を見越し、拠点をほかのEU加盟国に移す動きが出始めている。
不動産への投資商品を富裕層向けに販売するロンドンの金融会社「ブリックベスト」は8月、ベルリンにオフィスを新設した。今はベルリンを主力拠点とし、従業員の3分の2が働く。EU離脱によって英国以外のEU加盟国で販売ができなくなるおそれがあるためだ。
EUの一つの加盟国で許可を取れば域内で自由に営業できる「シングルパスポート」制度がある。ブリックも英金融当局から取得した許可で、インターネットで独仏などの顧客に販売している。だが、離脱交渉次第では、英国以外のEU加盟国で許可を取り直す必要が出てくる。共同で最高経営責任者(CEO)を務めるドイツ出身のトーマス・シュナイダーさん(38)は「英国の金融当局は起業家に寛容で事業をやりやすかったが、今後の不透明さを考えると早め早めの対応をとった方がよい」と話す。
ロンドンのウェブサイトデザイ…