各地の冬山で年末から年始にかけ、5人が死亡、1人が心肺停止となるなど事故や遭難が相次いだ。
富士山滑落死、一気に900m下 アイスバーン状態
富士山では1日昼ごろ、8合目付近の山梨県側で神奈川県海老名市の会社員水谷忠英さん(37)が滑落。死亡が確認された。前日に家族と5合目の山小屋に泊まり、この日朝から1人で山頂に向かっていたという。2日午前10時ごろには6合目付近で倒れている男性を山梨県警ヘリが見つけ、救助したが、男性は心肺停止状態という。
長野県警によると、2日午後、南アルプス・甲斐駒ケ岳の六方石付近で倒れていた男性を県警のヘリが救助したが、まもなく死亡が確認された。同県白馬村の八方尾根北側斜面では2日昼ごろに雪崩が発生。スキーで下山中だった村内のカメラマン丹後智宏さん(28)が巻き込まれ、意識不明の重体という。
静岡県警によると、南アルプス・小赤石岳の登山道付近では2日午前7時50分ごろ、愛知県岡崎市の男性(46)が滑落し、胸の骨が折れる大けがをした。
また、埼玉県警によると、埼玉県秩父市の雁坂峠付近で1日朝、東京都世田谷区のパート臼井貞文さん(37)が滑落。山小屋から臼井さんの捜索に出た東京都国立市の公務員後藤主昇さん(51)も同じ場所で滑落し、ともに約200メートル下で見つかったが、死亡が確認された。後藤さんは滑落した臼井さんを見つけ、応援を呼ぶために戻る途中だったという。
山梨県南アルプス市の北岳では昨年12月31日午前11時半ごろ、東京都江東区の中嶋稔さん(59)が滑落したのを他の登山者が確認。県警によると通報を受けた県警ヘリが発見したが、搬送先の病院で死亡が確認された。下山中だったとみられるという。