101市区の受援計画の策状況
大災害時に自治体が他の自治体から支援を受ける際、応援職員に担ってもらう業務などを事前に決めておく「受援計画」について、朝日新聞が道府県庁所在市など101市区に尋ねたところ、策定済みや策定方針の自治体が4割超の43にのぼった。東日本大震災や熊本地震で被災自治体が混乱したことをきっかけに、受援を重視する自治体が増えている。
阪神・淡路大震災でボランティア受け入れが進み、東日本大震災の後は行政職員の「受援」が注目されるようになった。101市区の中では、東日本大震災まで1市を除いて受援計画はなかった。大規模災害の際、被災自治体が単独で対応するのは極めて難しいことが過去の災害で明らかになっており、受援体制の一層の構築が急がれる。
受援計画の対象になるのは、避難所運営や支援物資供給、罹災(りさい)証明書の発行などの業務。内閣府は、熊本地震などを受けて昨年10月、有識者らの検討会を発足させて受援計画策定の指針作りを進めており、今年度末に完成させる予定だ。
朝日新聞は、道府県庁所在市と政令指定市、中核市、東京23区の計101市区に受援計画の策定状況(昨年11月時点)を取材。その結果、「策定済み」は12市区だった。策定のきっかけ(複数回答可)として東日本大震災をあげる自治体が8あり、いずれも2012年6月から昨年2月までに策定を終えた。
「策定中」「策定の方針」は計…