飼育している鶏から高病原性鳥インフルエンザの陽性反応が出た養鶏場=14日午後、岐阜県山県市、室田賢撮影
岐阜県は14日、同県山県市の養鶏場で同日、鶏100羽以上が死んでいるのが見つかり、簡易検査で計6羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。遺伝子検査でも陽性(H5亜型)が確認され、この養鶏場で飼育する約8万羽の殺処分を始めた。
特集:鳥インフルエンザ
県によると、養鶏場が同日朝、大量死に気づいて県に通報した。死んだのはいずれも、敷地内に八つあるうちの一つの鶏舎で飼う生後45日前後の個体。簡易検査では死んだ5羽と生きている1羽から鳥インフルエンザの陽性反応が出た。県は出荷停止を依頼し、鶏舎を消毒した。
県による遺伝子検査でも陽性が確認された。岐阜県内の養鶏場で陽性が確認される例が出たのは初めて。県は24時間以内に殺処分を終えることを目指し、自衛隊に災害派遣要請をして作業への協力を求めた。確定検査を国の機関に依頼する。
県は、この養鶏場から半径3キロ以内にある山県市内の養鶏場4戸(計約7万8千羽飼育)にも鶏や卵などの出荷禁止を指示。同3~10キロ以内で、岐阜市と関市を含めた3市にある12戸の養鶏場には、この範囲外への出荷を禁止した。
環境省は同10キロ以内の池などを野鳥の監視重点区域とし、県や範囲内の7市町と連携して異状のある野鳥がいないか監視にあたる。この養鶏場を除き、鶏100羽以上を飼う県内すべての養鶏場145戸(計約580万羽)では異状が確認されていないという。(山岸玲)