堺市北部地域整備事務所の改修で、石綿を含む塗料が吹き付けられている外壁を削り取る様子=2016年6月18日撮影、関係者提供
堺市の北部地域整備事務所(同市北区)の煙突を解体する際、基準値の255倍のアスベスト(石綿)が検出された問題で、事務所外壁の塗料にも基準値の約10倍の石綿が含まれていたことが、関係者への取材でわかった。市は大阪府の条例が求める飛散防止対策を業者にさせないまま、外壁の改修が始められていた。
工事で石綿検出、連絡怠った疑い 堺市課長らを書類送検
市などによると、基準値の約10倍の石綿が検出されたのは「リシン」と呼ばれる塗料。業者は対策を施さないまま、リシンが吹き付けられた外壁のうち、数センチ~数十センチ四方の5カ所ほどを削り取り、石綿が飛散した可能性があるという。煙突工事の問題が発覚した後、施工業者が調べ、市に申告。市も石綿含有の事実を確認したが、公表していなかった。
大阪府では、リシンは石綿を含んでいても、解体時に届け出る必要はない。一方、「生活環境の保全等に関する条例」は、石綿が飛散する恐れがあれば、散水や集じんなどの対策を努力義務として求めている。
堺市建築課の担当者は取材に対…