2人がライオンにかまれた「湘南動物プロダクション」の出入り口=23日午後0時34分、千葉県成田市、藤井宏太撮影
千葉県成田市の動物プロダクションで23日、社長ら2人がライオンにかまれ、大けがをした。繰り返される動物施設での事故。何が起きたのか。
ライオンにかまれ2人重傷 千葉の動物プロダクション
■体を洗っていたら…
「ライオンに人がかまれた」
成田空港の北東約1キロ。成田市の「湘南動物プロダクション」から119番通報があったのは、23日午前11時ごろのことだ。
県警によると事故当時、おり(高さ約3メートル、奥行き・幅各約7メートル)の中に10歳の雄のライオン1頭のほか、同社社長の女性(55)と役員の男性(28)、女性従業員の計3人がいた。このうち社長と男性が顔や頭をかまれ、重傷を負った。ともに病院に運ばれ、命に別条はないという。
3人はこの日、午前10時ごろからおりの中で作業をしていたが、ライオンの体を洗っていた際に後方にいた男性が突然かまれ、男性を助けようとした社長も襲われたという。ライオンは首輪と2本の鎖でおりの鉄格子につながれており、逃げ出さなかった。
■検査時は問題なく
会社のウェブサイトによると、同社は30年以上前から映画やテレビ番組に出演する動物を飼育・調教。携帯電話大手ソフトバンクのテレビCMで「お父さん犬」として出演する北海道犬が所属するほか、オオカミなどの猛獣もいるという。サイトでは「クルーの方々の安全をも守りながら100%の演技をご提供」とPRしていた。
県の印旛保健所はこの日、動物愛護法に基づき同社を立ち入り検査した。昨年11月に立ち入った際には特に大きな問題はなく、今回も「施設の構造などで明らかに大きな問題はなかった」(県衛生指導課)という。県警は安全管理に問題があった可能性があるとみて、業務上過失致傷容疑で当時の状況を調べている。
動物愛護法は、ライオンなど人…