熊本県内の男性(41)が離婚後に長男(12)との面会を妨害されたとして、元妻(39)とその再婚相手を相手取り慰謝料300万円を求めた訴訟で、熊本地裁(永田雄一裁判官)は元妻と再婚相手の賠償責任を認め、元妻には70万円、再婚相手には元妻と連帯して30万円の支払いを命じた。
判決は昨年12月27日付で、原告・被告双方とも控訴せずに確定した。男性の代理人、板井俊介弁護士は「再婚相手に面会交流させる義務を負わせる判決は異例」などと話している。
判決によると、男性は2006年2月、元妻との離婚調停で長男と月2回程度の面会を認められた。その後、定期的に会っていたが、元妻の再婚相手から12年7月ごろ、長男に会わせないと連絡があった。再度の調停で、面会候補日を再婚相手から連絡することで合意したが、連絡はなく長男と面会できなかった。
判決は、被告側の「(原告と面会すれば)長男と再婚相手の関係が悪化する」といった主張を退け、再婚相手に連絡義務違反があったと認定。7歳から10歳に成長した長男の大切な時期に交流できず、「男性の精神的な苦痛は相当大きい」と認めた。(板倉大地)