トランプ米大統領と欧州、ロシアの関係
「アメリカ・ファースト」と「ブレグジット」が強力タッグを演出――。トランプ米大統領が27日(日本時間28日)、「米国第一」の外交を、欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国との首脳会談から始めた。二国間の貿易協定を強力に進め、ロシアとの関係改善ももくろむ。トランプ氏と同じ「自国第一」主義の動きが広がりつつある欧州は警戒を強めている。
「初の首脳会談で、メイ首相を招くことができて光栄だ。我々の特別な関係は、歴史における正義、平和を後押しする大きな力の一つだった」。27日、首脳会談後の記者会見。メイ氏のスーツと同じ赤色のネクタイを締めたトランプ氏は、珍しく手元のメモを読みながら語った。
2人を引き寄せたのは二国間の貿易協定だった。
英国は28カ国による経済統合体から離脱することを決めた。EUとの貿易交渉が難航するのは必至な中、世界一の経済大国と協定を早期に結べる見込みがつけば、経済界などの不安を抑えられるとの計算も透ける。
かたやトランプ氏も、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、二国間で貿易交渉を進める方針だ。「自国第一」の同志とも言える米英が二国間協定を結べば、象徴となりうる。
会見では、トランプ氏が「英国…