米国とメキシコの首脳会談が中止となったことを巡り、メキシコのグアハルド経済相は27日、地元テレビのインタビューで「ホワイトハウスが抱える問題は、トランプ米大統領のツイートに、投稿の後に気付くことだ」と語った。会談中止の原因となったトランプ氏のツイートに米国側の政権幹部も驚いていたと明かし、懸念を示した。
首脳会談は31日に予定されていたが、トランプ氏が26日朝、自らのツイッターで「メキシコが壁の建設費を払わなければ、会談をキャンセルした方がよい」と主張。メキシコのペニャニエト大統領は直後に訪米取りやめを発表した。
グアハルド氏によると、トランプ氏のツイートは、メキシコ外交団が米国でトランプ政権幹部と会談しているさなかに投稿された。その内容に「全員が驚いた」という。米国側はその後も対話の継続や解決策の模索に努めていたと語り、「予測不可能な状況が問題を引き起こしている」と「ツイッター外交」を批判した。
グアハルド氏は「トランプ氏が壁建設に固執するのは、公約を実行しているとの印象を与えるためだ」と指摘。「自らジレンマに陥っている。今は米国が自分で出口を探さなくてはいけない」と語った。「米国との関係を壊すつもりはない」とも述べ、外交官の召還などの考えはないとした。(ティフアナ〈メキシコ北部〉=田村剛)