国谷裕子さん=時津剛撮影
気候変動やグローバル化で深刻化する問題に対応するため、2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs〈エスディージーズ〉)に、超大国の孤立主義という逆風が吹いている。国際協調の機運をどう守り、発展させていくのか。キャスターの国谷裕子(くにやひろこ)さんが、国連の責任者に展望を聞いた。
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「自国第一」超えて未来へ 国谷裕子さんがインタビュー
トーマス・ガス国連事務次長補は、相互依存のなか、米国といえども一国だけでは課題解決は進まず、各国と共同であたる方が合理的だと指摘。国連を通じたこれまでの多国間の枠組みにより、国際協力の土台はゆるがないと強調した。
ガス氏は日本がSDGsを牽引(けんいん)するよう期待を表明。「力のある国として、貿易や金融、人の移動など世界の国々に関係する課題に、持続可能性を高める観点から一貫して取り組んでほしい」と述べた。
SDGsは、17分野の目標を2030年までに達成することにより、地球を持続可能で強靱(きょうじん)なものに変革することを目指す。働き方や消費のあり方、格差の是正、教育の質の確保、海や森の保護など、先進国が直面する課題が並ぶ。極度な貧困と飢餓の撲滅、妊産婦の安全など、従来の開発協力の目標も引き継いでいる。包摂性を重視し、「誰も置き去りにしない」を共通理念に掲げている。
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このままでは地球がもたないという危機感が広がっています。朝日新聞社は「2030 SDGsで変える」をテーマに、17分野の課題の解決策を探ります。キャスターの国谷裕子さんをナビゲーター役に、動きを作り出している人たちを紹介していきます。
地球規模の課題については、貧困や感染症の対策に取り組むビル・ゲイツ夫妻とともに、企画特集「2030 未来をつくろう」をお届けしてきました。今後も読者のみなさんとともに考えていきます。