三重県内の「ミスタードーナツ」のフランチャイズ店長男性(当時50)が過労により不整脈で死亡したとして、男性の遺族が、店舗を経営する「竹屋」(同県四日市市)や同社社長らに損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、津地裁であった。岡田治裁判長は、長時間労働と死亡との間に因果関係があるとして、会社側の安全配慮義務違反を認め、同社と社長らに計約4600万円の支払いを命じた。
男性は2011年7月から津市内の2店舗で店長を務めるなどしていたが、12年5月、通勤途中に致死性不整脈で死亡した。四日市労働基準監督署は13年7月に過労死と認定していた。
判決は、男性の時間外労働が直近6カ月間の平均で月112時間を超えていたと認定。男性の長時間労働は常態化していたが、会社側は業務の軽減措置をとらなかった、と指摘した。
竹屋の真弓浩一・管理本部部長は「判決を真摯(しんし)に受け止め、これからも労働環境の改善に努めていく。今後については弁護士と協議の上、対応したい」と話した。男性の妻(52)は「二度とこのようなことを繰り返さないでほしい」と弁護士を通じてコメントした。
竹屋は1950年創業。シュークリームなど洋菓子の製造のほか、三重県内でミスタードーナツとケンタッキーフライドチキンのフランチャイズ店計20店舗を運営している。