中部電力は30日、4月に参入する家庭向けのガス小売料金を発表した。ガスを月31立方メートル使用する標準的な世帯では、東邦ガスより5%(年3312円)安くする。電気と併せた契約にすると、さらに2%割り引く。今後5年で20万件のガス契約を獲得する目標だ。
中部電が手がけるのは、東邦ガスが営業を展開する東海3県の都市部。東邦ガスと同様、使用するガス機器に応じ、家庭向け料金プランを3コース設定した。いずれも、ガス料金のみを比べると中部電の方が安い。31日から申し込みを受け付ける。
一方、電気料金のみを比べると、昨年4月に参入した東邦ガスの方が安い。このため、中部電は電気とセットにした場合のガス料金を2%値引きする。ガスと電気の使用量が標準的な世帯では、1年間のセット料金が中部電は約13万3千円。東邦ガスより5千円ほど安い。
ただ東邦ガスには、たくさんガスを使うガス床暖房などを使っている世帯向けに、割安な料金メニューがある。ガス床暖房を使う標準的な世帯では、逆に東邦ガスが年500円弱安い。東邦ガスは既に2万件強の家庭向け電気契約を獲得。4年後には8万件まで増やす計画だ。(大日向寛文)