自民党は授業料の免除など教育無償化に向けた具体策の検討を始める。総裁直轄の「教育再生実行本部」にプロジェクトチーム(PT)を設置し、無償化の対象範囲や必要な財源について議論する。
PTの座長は馳浩前文部科学相。無償化の範囲は、就学前の幼児教育から大学などの高等教育まで幅広く検討する。財源としては、使い道を無償化に限る「教育国債」の創設や、高額所得者への所得税率引き上げなどを想定している。政府の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に向け、5月をめどにとりまとめたい考えだ。
安倍晋三首相は1月の衆院代表質問で、教育無償化を憲法改正の項目として提案した日本維新の会の議員に対し、「次の70年を見据えた時に、教育が重要であることは論をまたない」と答弁した。文科相経験者の下村博文幹事長代行も記者団に「無償化によって(憲法改正に)確実性を持たせる意味では、党内議論の一つのテーマだ」と語るなど、改憲で手を組みたい維新側に「本気度」をみせる狙いもある。(藤原慎一)