OAKで記録した反応(体の動きの変化)の例。右の2列が動きの量を表している。音楽やゴムひも遊びという刺激に、動きが減って意識を向けていることが読み取れる=佐野将大教諭提供
重い障害のため言葉や行動で意思表示できない人の体の動きの変化を先端技術を使って読み取ろうとする試みが、香川県立高松養護学校(高松市)で進んでいる。刺激に対する反応をカメラでとらえ、人の目では見過ごしてしまう変化を記録・分析し、コミュニケーションに生かす狙いだ。
東大先端科学技術研究センターが開発したソフトウェア「OAK(オーク)」を活用する。カメラで映した対象の動きをとらえ、動きの量を可視化し、熱を示すサーモグラフィーのようなイメージで、動きが多ければ赤、なければ白で表す。
高松養護学校には、重い知的障害と身体障害がある重度重複障害児も在籍する。佐野将大教諭(33)は「手の動きなど小さな反応は、家族でも正確な意味を読み取るのは難しい。笑顔で判断することはできるが、十分なのか気がかりだった」という。それが、OAKを使うと微細な動きもとらえることができるという。
2012年、佐野教諭は母校・…