マイケル・フリン大統領補佐官。1月10日撮影=AFP時事
フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、トランプ政権発足前に駐米ロシア大使と電話していたことをめぐり、対ロ制裁について協議していた可能性があることが分かった。AP通信などが10日伝えた。
米情報機関は、フリン氏が、オバマ前大統領が対ロ制裁を発表した昨年12月29日にロシア側と会話したことを傍受している。制裁は、ロシア情報機関が米大統領選挙にサイバー攻撃などで介入したことへの報復措置だった。
フリン氏自身やペンス副大統領はこれまで、フリン氏がロシア側と制裁について話したことを否定してきたが、フリン氏は9日に一転、報道担当者を通じてワシントン・ポスト紙に「制裁について協議したと思い出せないが、議題に出なかったかは確かではない」とし、制裁について協議した可能性を示唆した。
フリン氏の会話の内容は不明だが、ロシアのプーチン大統領は制裁が発表された翌日、対抗措置は当面見合わせ、トランプ大統領の就任後の出方をうかがう考えを示した。
米国内法には、権限のない市民が論争のある外国政府と交渉することを禁じる規定が存在。フリン氏の行動がこれに違反した可能性があるとして、米連邦捜査局(FBI)が捜査しているとされる。(ワシントン=杉山正)