トランプ政権に科学の尊重を求める集会に参加した人たち=ボストン、小林哲撮影
トランプ米政権が科学研究をないがしろにする恐れがあるとして、米マサチューセッツ州ボストンで19日、科学者らによる抗議集会があった。地球温暖化対策に消極的な人物が環境保護局長官に選ばれたことなどを受けて、「科学的証拠に基づく政策決定をすべきだ」と訴えた。
米科学誌サイエンスを発行する世界最大級の学術団体「米科学振興協会」(AAAS)の総会がボストンで開かれており、科学者団体や環境保護団体が出席した科学者たちに参加を呼びかけた。中心街の広場では、「科学のために立ち上がれ」「科学こそ真実」などと書かれたプラカードを持った人たちが声を上げた。ワシントン州から参加したエイズ治療薬の研究をしているインド人男性は「科学を大事にする米国にあこがれてこの国に来たので、とても心配している」と語った。
AAASの総会では、トランプ政権の科学技術政策について話し合う会合があった。化石燃料開発に積極的なトランプ氏の意向を受けて、気候変動や自然保護などに関する研究開発費が大幅削減される懸念が出ている。(ボストン=小林哲)