千日手が成立し、駒を片付ける稲葉陽八段(左)と森内俊之九段=東京都渋谷区
第75期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の9回戦、森内俊之九段―稲葉陽八段戦で千日手(引き分け)が成立した。挑戦権をかけた大一番が指し直しになった。
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午後2時30分、同じ手順が繰り返されて同一局面が4回現れたことに伴い、千日手が成立。双方、「別の手を指した場合は形勢を損ねる」と判断した形だ。30分間の休憩を挟んで、指し直し局が始まった。規定により、先手と後手を入れ替え、勝てば挑戦権獲得となる稲葉八段が先手番になった。千日手になった時点での残り時間が、指し直し局の持ち時間に引き継がれる。
A級順位戦で千日手が生じたのは5年2カ月ぶり。「将棋界の一番長い日」と称される9回戦では9年ぶり。(村瀬信也)