中国航天科技集団の微信(WeChat)公式アカウントが発表した情報によると、2016年にプロジェクトとして承認された中国の火星探査任務は、第13次五カ年計画の締めくくりの年となる2020年に初となる独自の火星探査を実施する。中国は現在、計画に基づきこの宇宙重大プロジェクトを推進中で、今年7月を目指して火星探査機を打ち上げる予定だ。中国新聞網が伝えた。
全国政協委員で、航天科技集団科技委員会主任の包為民氏は全国両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)の会期中に、火星探査任務「天問1号」について紹介した。それによると、任務は1回の打ち上げにより複数のプロジェクト目標を達成する。これには火星周回や着陸巡回、火星全体の総合的な探査、火星表面重点エリアの詳細な巡回調査が含まれる。任務は宇宙環境、地形的特徴、表層構造などの研究に関わる5大科学目標を設定した。
こうした科学目標を達成するため、火星探査機は周回機と着陸・巡回コンビネーションの2つに分かれる。後者は任務において火星表面に軟着陸し、火星探査車を切り離し、火星表面で探査を行う。周回機は火星を周回し、任務に中継通信サービスを提供し、タイミングを伺い周回探査を行う。同任務は13種類のペイロードを搭載し、うち周回機は7種類、火星探査車は6種類。
今年は火星探査活動に適した時期だ。欧州とロシアが協力する「エクソマーズ・ローバー」の打ち上げ延期が発表されたが、現在のところ、米国の火星探査車「パーサビアランス」、アラブ首長国連邦の火星探査車「ホープ」、中国の火星探査任務「天問1号」が年内打ち上げの方針を崩していない。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年5月25日