盲学校で子どもと交流する杉良太郎さん(2014年5月、事務所提供)
天皇、皇后両陛下にとって初めてとなるベトナム訪問。3月1日に首都ハノイで開かれる国家主席夫妻主催の晩餐会(ばんさんかい)では、日ベトナム特別大使を務める俳優・杉良太郎さん(72)が長年支援してきた盲学校の生徒たちが歓迎の演奏をする。杉さんは「ベトナムでは長く戦争が続いた。平和を思う両陛下のご訪問は、ハンディを背負う生徒たちの励みになる」と話す。
両陛下がベトナムへ出発 タイでは前国王の弔問予定
杉さんは1989年、慈善公演を開くために初めてベトナムを訪れた。ベトナム戦争やカンボジア侵攻など長く戦争を続けてきた影響で国土は疲弊、86年のドイモイ(刷新)政策で市場経済へかじを切ったが、当時はまだ物資が乏しく、道路や水道などのインフラも十分に整っていなかった。
子どもたちを励まそうと、ハノイのグエン・ディエン・チエウ盲学校とバックラー孤児院を訪ねた。菓子を届けたが、孤児院の少女は手をつけず、「お菓子よりお父さんお母さんがほしい」と言った。杉さんは「思わず施設の外に出て泣いた」。
以来、この二つの施設に毎年足を運んでいる。文具や子どもたちの治療費などを寄付し、行くたびに孤児院の子を「里子」として支援。「里子」は今年9月に予定する訪問で152人になる見通しだ。
盲学校を2003年に卒業した…