三越伊勢丹HDの杉江俊彦氏
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は7日、大西洋社長(61)が31日付で退任し、後任に杉江俊彦・取締役専務執行役員(56)を充てることを決めた。石塚邦雄会長(67)は当面続投し、大西氏とともに6月の株主総会で取締役も退く。
百貨店強化、道半ばで 三越伊勢丹HD社長退任へ
杉江氏は1983年に伊勢丹入社。食品部門の統括部長などを経験した後、2012年6月から経営戦略本部長として、経営計画の策定などに関わってきた。
12年にHD社長に就いた大西氏は、専門店などに売り場を貸し出す不動産事業に距離を置き、本業の百貨店事業の強化を進めた。だが、訪日外国人客の「爆買い」失速で業績は悪化。17年3月期の営業利益は前年比3割減と大きく落ち込む見通しだ。
大西氏は、経営責任を取って退く形になる。杉江氏は、若い消費者を店舗に呼び戻す新たな戦略を描けるかが課題になる。