学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池(かごいけ)泰典理事長の妻が園長を務める大阪市淀川区の保育園について、大阪市は、保育園が受給した委託費が、「常勤の園長を置く」という支給要件に反していた疑いがあるとして調査を始めた。市は、不正と認定すれば、支給済みの約1千万円の返還を求める方針。
特集:森友学園問題
市保育企画課によると、保育園は、籠池氏が代表を務める社会福祉法人「肇國舎(ちょうこくしゃ)」が運営している。市は同保育園に対し、常時専従している園長を置く場合に加算される委託費の「所長設置加算」を2015年度に562万円、16年度に509万円支給した。
しかし、保育園の園長を務める籠池氏の妻が、森友学園が運営する同区の幼稚園でも副園長を務めていることがわかり、市は「幼稚園の副園長との兼務は違反の可能性がある」として勤務実態を調べる。違反が確認されれば、所長設置加算分の返還を求めるという。
幼稚園は府の所管で、市の担当者は、最近の報道などで、籠池氏の妻が幼稚園の副園長も務めていることを知ったという。市の資料によると、保育園は10年4月に認可を受けた。定員は65人、16年度の園児は0~5歳の51人。