大学生や専門学校生らによる公共広告の優秀作を決める「第13回ACジャパン広告学生賞」(朝日新聞社など後援)の表彰式が10日、東京都内であった。今回初めて設けられた「新聞広告部門」では、応募した11校の168作品から、京都造形芸術大学3年の三枝(さえぐさ)瑞季さん(21)の作品がグランプリに選ばれた。
三枝さんの作品は「野良猫クレーン」。クレーンゲームでつかまれる猫のイラストに「飼う前にもう一度、しっかり考えてみて」とのメッセージを添えた。3年前からハリネズミを飼っているという三枝さん。「かわいいからと気軽に飼い、捨てる人が多いと聞く。最後まで面倒をみる覚悟がいると伝えたかった」と話した。
準グランプリは、同大学3年の田中麻央さん(21)の「変わらないこと」。昨年、祖母に認知症の疑いがあると知り、周囲の助けを借りながら認知症の人を支える大切さを訴えた。この2作は7月以降、朝日新聞を含む全国紙の一部地域で掲載される見込み。
このほか、審査員特別賞3作、優秀賞9作を表彰した。特別賞の「父親をカラダで買った。」は、援助交際をテーマに、不安から逃げたい女性の心理をつづった。作者の静岡デザイン専門学校2年、深沢朱子(あかね)さん(20)は「援助交際をする女の子の側の抱える問題を解決する必要があると考えた」と話す。(高浜行人)