河村たかし名古屋市長(68)は17日、名古屋市内で政治資金パーティーを開いた。4月の市長選に向けた事実上の決起集会だ。だが盟友だった大村秀章愛知県知事の姿はなく、市の大規模展示場構想をきっかけにした2人の亀裂の深さを物語った。
大村知事と河村市長、対立再燃 名古屋の展示場建設巡り
「日本中で市民税がちょこっとでも減税されているのは名古屋だけ。どえりゃあことですよ」。河村氏は参加した約700人(主催者発表)に持論の市民税減税のほか、名古屋城天守木造化や子ども支援など、3期目を目指して掲げる政策を強調した。
河村氏が連携を目指す小池百合子東京都知事は出席しなかったが、代わりに「よりよい名古屋市のために奮闘されていらっしゃるパワフルさに敬服しております」との電報を寄せた。河村氏は事前に知らされていなかったようで「本当に来たのか」と喜んだ。
一方、大村氏は欠席し、メッセージも寄せなかった。前回市長選前の2013年3月末のパーティーには駆けつけてあいさつしたが、今回は同じ時間帯に愛知県安城市で自身の後援会総会に出席した。
2人の対立は、河村氏が7日の市議会で市の展示場構想を大村氏が容認したとの趣旨の答弁をしたことで深まった。県の展示場計画を進める大村氏は「事実と異なる」と猛反発。河村氏は17日の市議会委員会に自身の正当性を主張する資料を提出し、歩み寄る気配は見えない。
一方、岩城正光(まさてる)前副市長(62)は19日に事務所開きをする。(関謙次)