地域政党・減税日本代表の河村たかし名古屋市長は8日の党総会で、現在年1455万円の市議報酬を年800万円に再び引き下げる条例案を今年度中に市議会に提出する方針を示した。減税は市議会少数会派のため可決は困難だが、来春の市議選で旗印に掲げ、党勢回復を図る狙いだ。
河村氏は総会で「(市議の)市民並み給与を提案していかないかん」と述べた。周辺によると、条例案提出は市議選直前の来年2月市議会を想定しているという。
市議報酬削減は減税と並ぶ河村氏の看板政策。かつて年約1600万円だった名古屋市議の報酬は、減税が市議会最大会派だった2011年、河村氏の公約を踏まえ一度は800万円に半減された。だが減税が議席を減らすと、自民、民主(当時)、公明3党の主導で16年から1455万円に引き上げられた。
河村氏は総会後、「(条例案は)選挙の前に出さないかん。選挙は何かを主張して市民に選択していただくことだ」と記者団に語った。市議選直前に市議報酬についての対立構図を明確にし、減税の勢力回復につなげる狙いとみられる。周辺は「(条例案が)否決されると盛り上がる」と取材に語った。(関謙次)