ウィリアム・ハガティ氏=AP
トランプ米大統領は23日、ケネディ前駐日大使の後任に、投資会社創設者のウィリアム・ハガティ氏(57)を指名すると正式に発表した。多くの日本企業が拠点を置くテネシー州で経済局長を務め、日本での勤務経験もある知日派として知られる。政権移行チームで重職を担当し、トランプ氏の信頼も厚いとみられる。議会上院の承認を経て就任する。
ハガティ氏は、経営コンサルタント会社ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)などを経て、1996年に投資会社ハガティ・ピーターソンを創設。BCG時代に3年間、上級駐在員として東京で勤務した。
ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領時代に、ホワイトハウスのスタッフを務めたほか、昨年の大統領選では当初、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事を支持していた。しかし、トランプ氏が共和党候補者指名を獲得後、陣営のテネシー州財務委員長として選挙資金確保に貢献。当選後は政権移行チームに参加し、約4千人の政治任用ポストを割り振る責任者を務めた。
日産やブリヂストンなど日本企業約160社が拠点を置くテネシー州では、投資交渉などで日本企業と関わってきた。妻と4人の子どもと同州に暮らす。(ワシントン=佐藤武嗣、五十嵐大介)
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菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で、ハガティ氏の駐日大使への指名について、「トランプ大統領の信頼も非常に厚く、日本在住経験もある。日本政府としては駐日大使への指名を歓迎する。日米同盟のさらなる強化に取り組むことを楽しみにしている」と述べた。