参院本会議で新年度予算が可決、成立し、議場に向かって頭を下げる安倍晋三首相(右端)ら=27日午後6時36分、岩下毅撮影
政府が国会に提出した2017年度予算案が27日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。一般会計の歳出規模は97兆4547億円で、保育士や介護職員の処遇改善や大学生向けの給付型奨学金の予算が盛り込まれたが、高齢化に伴う社会保障費の膨張や防衛費などの増大により、5年連続で過去最大を更新した。
同日午前の参院予算委で安倍晋三首相は、「1億総活躍社会の実現や経済再生をはじめとした重要政策課題に(予算を)重点化した」と強調した。
予算案成立で、後半国会の焦点重要法案の審議に移る。政府は、「共謀罪」新設法案や天皇陛下の退位に関する特例法案の成立をめざすが、野党は学校法人「森友学園」への国有地売却問題で追及を強めており、重要法案の審議に影響する可能性がある。