福岡大大濠―報徳学園 福岡大大濠の先発徳原=阪神甲子園球場、筋野健太撮影
(29日、選抜高校野球 報徳学園8―3福岡大大濠)
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「逆に引き締まった」と福岡大大濠の主将亀井は見た。3試合で33回を投げ、連投となる三浦の先発を八木監督は避けた。ここは全員で踏ん張り、優勝に向けてまたエースで勝負――。この決断も、緊急登板となった2年生の2投手が前半で崩され、実らなかった。
先発は公式戦初登板の徳原。「楽しもう」と考えた一方で「緊張した」。2連続四球の走者に盗塁でかき回され、1死で降板だ。
救援はこれまで中堅を守った西。「憧れのマウンドで投げやすかった」と、気持ちよく投げられたのも二回まで。三回無死一塁、初球にバスターを決められるなど揺さぶられるまま、以降3長短打を浴びた。「みんな球が高かった」。登板は昨年夏以来だった。
新チームの公式戦は三浦しか投げていない。「ここを乗り越えれば、また一つ成長できたのですが」と亀井。ただ、2年生が甲子園という最大級の公式戦のマウンドを味わえた。2人は「三浦頼み」から脱したい、との思いを強くした。
それでは当の三浦はというと、「どこも痛くない」と投げる気満々だった。終盤リードすれば、と監督からは告げられていたという。一回のピンチでは、少しでも相手にプレッシャーをかけたくてブルペンに走り、戻るように指示された。「僕が投げて負けるより悔しい」
陰に隠れていた投手たちと、エースの思いとがぶつかり合って、チームは飛躍していくのだろう。(隈部康弘)
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●八木監督(福) 「基本的に三浦は投げさせないと決めていた。先制してペースを握りたかったが、先手を取られて、後手後手に回ってしまった」
●古賀(福) 2年生の2投手をリードし、自らも七回からマウンドへ。「三浦ひとりじゃ勝てない。改めて三浦のすごさを感じました」