韓国の朴槿恵(パククネ)前大統領の逮捕をめぐり、5月9日に投開票される大統領選の与野党有力候補が31日朝、一斉にコメントを発表した。野党系は逮捕を歓迎。与党系は、朴容疑者への同情心を示すとともに、団結を強調。保守へ激しい逆風が吹いている世論を沈静化したい意図をうかがわせた。
韓国の朴槿恵前大統領を逮捕 収賄や機密文書流出容疑
最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表は世論調査の支持率で首位に立つ。陣営は「法と原則に基づく当然の結果だ。壊れた韓国を再建する第1歩だ。公正で清潔な国をつくるために力を結集する」とするコメントを発表した。
第2野党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)・元常任共同代表の陣営も「法の前に万民が平等だという韓国の憲法の価値が実現した。拘束は、謝罪と反省なしに証拠隠滅とウソの弁明を繰り返した朴前大統領が自ら招いたことだ」と批判した。
与党、自由韓国党の洪準杓(ホンジュンピョ)・慶尚南道(キョンサンナムド)知事は「気の毒だが、朴槿恵時代は終わった。国民も朴前大統領を許してあげてほしい。大同団結して新しい時代を一緒に開こう」と訴えた。
与党を離党した議員らで結成した「正しい政党」の劉承旼(ユスンミン)議員は「気の毒だ。再び、不幸な歴史が繰り返されないことを望む。これ以上の分裂と葛藤を防ぎ、未来に進むべきだ」とした。(ソウル=牧野愛博)