(5日、ロッテ7―6日本ハム)
開幕から4連敗だったロッテが、トンネルを抜けた。
勝利を引き寄せたのは5番打者、鈴木の一打だった。1点を追う七回2死一塁、マウンドにはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場していた日本ハムの左腕・宮西。2球で追い込まれたが、そこから粘った。フルカウントになったところで、タイムをかけて間を取った。「3―2まで持っていくと、ほっとしちゃうから」。気持ちを入れ直して7球目、甘いスライダーを捉えると、打球はファンが待つ右翼席へと吸い込まれた。
「感触は良かったけど、まさか本塁打が出るとは思わなかった」。自身も驚く逆転2ランだった。
連敗中、チーム打率がリーグワーストの1割8分3厘という打線の中で、主将の鈴木は4試合連続安打、打率4割2分9厘と気を吐いていた。伊東監督は「人一倍、負けられないという気持ちが強い選手。(それが)乗り移ったような本塁打だった」と喜んだ。
昨季の本塁打は6本ながら、今季からクリーンアップの一翼を担う。通算でもプロ5年間で20本だ。「一般的な5番打者のスタイルを、僕の中では意識していない」。逆転の一打の場面でも、考えていたのは後ろの新外国人選手へ回そうということだけだ。「これからも色気を出さずにやっていきたい」
地に足をつけてチームを引っ張る。(大坂尚子)
○伊東監督(ロ) 「喜ばしい内容ではないけど、とにかく勝ったことでほっとした。(次からは)良い流れでいけると思う」
○益田(ロ) 今季初登板で通算50セーブ。「全然知らなかった。セーブがつく場面はチームがつくってくれるからこそ。いい緊張感で投げられた」