元交際相手などの裸の画像をインターネット上に公開する「リベンジポルノ」。警察への相談は昨年、1063件で、2年続けて1千件を超えた。警察庁が6日発表した。
昨年の被害相談の内容(複数回答)は、「画像を公表すると脅された」が451件、「画像を所持されている・撮影された」297件、「画像を送りつけられた」229件、「画像を公表された」196件、「画像の購入要求など」20件。
被害者のうち92・1%が女性。年代別では20代が41・6%と最多で、未成年22・2%、30代18・3%、40代13・2%、50代以上4・5%と続く。加害者は、交際相手や元交際相手が69・2%を占める一方、ネット上だけの知人・友人が11・1%あった。ほかに、知人・友人9・9%、配偶者や元配偶者3・0%、職場関係者1・2%など。
加害者を摘発したのは268件(前年比8件減)。容疑別では、裸や性交の画像をネット上でばらまいたりする行為を禁じたリベンジポルノ被害防止法違反が48件で、脅迫69件、児童買春・児童ポルノ禁止法違反35件、強要33件、ストーカー規制法違反27件、名誉毀損(きそん)13件、わいせつ物頒布7件などだった。警察による加害者への注意・警告は571件、サイト管理者らに対する画像の削除要請は49件あった。
リベンジポルノ被害防止法は2014年11月に施行され、15年の相談件数は1143件だった。(編集委員・吉田伸八)
■リベンジポルノの被害を防ぐために
・交際相手やネットで知り合った人から頼まれても裸の画像を送ったり撮らせたりせず、断る。
・ネット上に名前や住所などの個人情報を安易に書き込まない。
・いったんネット上に出た画像は消去や回収が簡単にはできないことを理解する。
・学校や家庭内で被害の怖さや重大性を子どもに教える。
・画像が公開されたり送りつけられたりしたら、周囲の信頼できる大人や警察に相談する。
(警察庁による)