パリ・サンジェルマン戦で、ボールを競り合うバルセロナのメッシ(左)=AFP時事
サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)は14日、パリなどで決勝トーナメント1回戦第1戦の2試合が行われ、パリ・サンジェルマン(フランス)がホームで2季ぶりの優勝を目指すバルセロナ(スペイン)に4―0で大勝した。ディマリアが先制ゴールを含む2得点の活躍。
香川真司が所属するドルトムント(ドイツ)は、敵地でベンフィカ(ポルトガル)に0―1で敗れた。香川はベンチ入りしたが出番はなかった。
第2戦はともに3月8日に行われる。
■誕生日に2G、ディマリア興奮
パリ・サンジェルマンが会心の勝利でバルセロナを撃破した。3トップが計4ゴールと爆発し、守ってはメッシら強力3トップを完封。29歳の誕生日に2得点を挙げたディマリアは「誕生日に2ゴールを決め、4―0で勝つなんて。これ以上の夜など望めない」と興奮覚めやらぬ様子だった。
チアゴシウバ、モッタと主力のベテラン2人が不在。万全のメンバーではなかった。しかし、ふたを開けてみればユース上がりのラビオが攻守に躍動。21歳のキンペンベがスアレスをシャットアウトするなど、若手の活躍が際立った。
開始直後から鋭い出足のプレスでバルセロナのパスワークを寸断し、素早いカウンターでチャンスをつくった。前半18分にディマリアの直接フリーキックで先制。同40分には敵陣でメッシからボールを奪い、ドラクスラーの追加点につなげた。後半も走力で圧倒し続け2ゴールを奪った。
バルセロナには過去4シーズンで2度敗退に追い込まれている。エメリ監督も、自身が率いたチームがこれまで1勝6分け16敗とバルセロナには辛酸をなめ続けてきただけに、「バルセロナの強さはよく知っている。カンプノウでは長い90分となるだろう」と油断はない。それでも、「天敵」相手のリベンジに大きく近づいたことは確かだ。
■バルサ、8強入り絶望
バルセロナは故障明けのブスケツ、イニエスタらが万全の状態ではなく、中盤を制圧された。それでも3トップの破壊力を生かした打ち合いに持ち込めるのが強みだったが、この日は頼みのメッシが絶不調。計18回もボールを奪われ、その一つが失点に直結する散々の出来だった。
スアレスは前線で孤立。ネイマールのドリブル突破もゴールを生み出すには至らず、後半のシステム変更も打開策とはならなかった。第2戦に望みをつなぐアウェーゴールを決められず、10年連続の8強入りは絶望的となった。ルイスエンリケ監督は「まだ半分残っている。可能性はわずかだが、それにすがるしかない」と力なく語った。(時事)