(7日、中日7―5DeNA)
苦しんだ分だけ、喜びは格別だった。中日が逆転で今季初勝利。開幕から7戦目にしてウィニングボールを受け取った新指揮官の森監督は「ここまで来たら、うれしいしかない。一つ勝てば、みんな落ち着いてくれるかな」と目を細めた。
先発大野が5回5失点。大黒柱の不調を全員でカバーした。前日まで得点圏打率が1割2分7厘だった打線は、三回に1死満塁から平田が左翼へ走者一掃の三塁打を放ち、京田がプロ初打点となる左犠飛。悪い流れを断つと、七回は3連打で同点とし、押し出し死球と犠飛でリードを得た。
六回から救援した又吉は2日前に4回と3分の1を投げたばかりだが、再びロングリリーフで3回を抑えて勝利への道を作る。「我慢していれば、ひっくり返してくれると思っていた。チーム全体が森さんに1勝をあげたいと思っていた」と又吉。九回は今季2度のセーブ機会に失敗していた田島がマウンドへ。「もう失敗はできない。使ってもらえたので、応えないと」と3人で締めた。
負けていれば引き分けを挟んでの連敗が6となり、1980年の球団ワースト記録に並ぶところだった。自身が西武に入団した79年に開幕から2引き分けを挟む12連敗を経験している森監督は、じっと我慢をし続けた。苦しみを知るからこそ、「やっていた選手はきつかったと思う。これで次のスタートが切れるな」と笑った。(上山浩也)
○京田(中) 七回に勝ち越しの押し出し死球。「とにかくバットに当てようと思っていたら、その前に体に来た。食らいついた結果です」