シリアのアサド政権を軍事面で支援するロシアのプーチン大統領は7日、米国による攻撃に激しく反発した。ペスコフ大統領報道官は「大統領は『主権国家に対する侵略であり、国際法違反だ』と考えている」と述べ、米国を厳しく批判した。
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今回の攻撃で、プーチン氏が目指してきたトランプ政権との関係改善への期待は完全に裏切られた。米国のティラーソン国務長官が11、12日にロシアを訪問し、ラブロフ外相らと会談する予定だが、激しいやり取りが予想される。
ロシア外務省は7日、シリア上空で米ロ両軍の安全を確保するための合意について、効力を停止すると発表。2015年10月以降続いた両国による飛行計画などの情報交換が中止される。両軍の偶発的な衝突の恐れも出てきた。
13年にアサド政権から化学兵器廃棄の合意を引き出したロシアは、アサド政権は化学兵器を持っていないという立場だ。プーチン氏は化学兵器使用が報じられた後も「根拠の無い批判」と述べ、アサド政権を擁護する姿勢を鮮明にしていた。(モスクワ=駒木明義)