シリアのアサド大統領は9日、イランのロハニ大統領と電話会談し、米軍による中部ホムス近郊の空軍基地へのミサイル攻撃について、「テロ組織を勢いづけるものだ」としつつ、その米国の狙いについては「失敗に終わった」と述べた。シリア国営通信が報じた。
米軍が今回シリアを攻撃して以降、アサド氏の発言が伝えられるのは初めて。
米軍は一部の反体制派を支援しているが、アサド政権は反体制派を「テロリスト」と呼んでいる。アサド氏は「シリア国民と軍はシリア領土のあらゆる場所からテロリストを根絶する決意だ」と述べ、反体制派の掃討作戦の継続に影響はないと強調した。
会談では、ロハニ大統領も米軍の攻撃を「主権侵害と国際法違反にあたる」と非難。シリアに対する軍事的、経済的支援の継続を確約した。
米国はアサド政権がシリア国内の反体制派に化学兵器を使用したと断定、攻撃に踏み切った理由としているが、両者の会談で化学兵器使用問題について言及があったかどうかは不明だ。(ダマスカス=小森保良、カイロ=翁長忠雄)