米政府がシリアの中部ホムス近郊の空軍基地をミサイル攻撃したことについて、ティラーソン国務長官は9日の米ABCテレビで、シリアの化学兵器廃棄に関する米国とロシアの合意が守られていなかったとの認識を示したうえで、「真の失敗は、(アサド政権を支援する)ロシアが合意を守れなかったことだ」とロシアを批判した。
ティラーソン氏はインタビューで、ロシアがシリアの「保証人」と指摘。2013年に米国とロシアが合意したシリアの化学兵器廃棄の計画が守られず、「この失敗が、最近の(ミサイル)攻撃と化学兵器使用につながった」「ロシアの失敗だ」と断じた。
さらに「ロシアがアサド(大統領)との同盟関係の継続を慎重に考えていると願う。(アサド政権による)おぞましい攻撃が起きる度に、ロシアは責任を増すことになる」と警告した。
ティラーソン氏はトランプ政権発足後、閣僚で初めてロシアを訪問し、12日にラブロフ外相と会談する。 一方、トランプ大統領は8日に米議会に「重要な国益のため、必要があれば追加の行動に出る」とする書簡を送り、アサド政権の出方次第でさらなる対抗措置を取ることを示した。(ワシントン=杉山正)