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長野県の防災ヘリコプター「アルプス」の墜落事故で、県警などは6日早朝から捜索を再開、機内から6人を救助したが、いずれも搬送先の病院で死亡が確認された。5日の3人とあわせ、ヘリに搭乗していた9人全員の死亡が確認された。事故原因解明のため、国の運輸安全委員会の航空事故調査官が6日、長野県に入った。搭乗していた隊員が機内で撮影していた映像が回収され、県警などが解析にあたる方針だ。
5日の捜索で取り残された6人を救助するため、県警、消防、自衛隊などの捜索隊は6日早朝から、墜落現場の鉢伏(はちぶせ)山(同県松本市)に入った。6人は機内から救助された時点で呼びかけには応じず、心肺停止の状態で搬送された。
死亡が確認された9人は、県消防防災航空隊のパイロット岩田正滋さん(56)、整備士清水亮太さん(45)、いずれも隊員の瀧沢忠宏さん(47)、甲田道昭さん(40)、大工原(だいくはら)正治さん(42)、伊熊(いくま)直人さん(35)、小口(おぐち)浩さん(42)、高嶋典俊さん(37)、伊藤渉さん(35)。
9人は事故があった5日午後、同県塩尻市の高ボッチ高原などで山岳救助の訓練を実施する予定だった。
県消防防災航空センターの滝沢重人センター長は6日の記者会見で、隊員の1人がヘルメットに取り付けた小型カメラに、離陸直後から墜落まで20分前後の映像が撮影されていたことを明らかにした。原因解明につながる可能性があり、映像を県警や国の運輸安全委員会に提出する。